このような悩みをもっている方はとても多いです。
しかし、あなたが必要な保険の種類を見つけることは意外と簡単です!
この記事では、医療保険とがん保険の違いを比較しながら、「医療保険がおすすめの方」と「がん保険がおすすめの方」を分類し、あなたにとってベストな保険の種類を手っ取り早く見つけるためにまとめました。
そのうちの1つのポイントは「がん家系かどうか?」です。
医療保険とがん保険の違いを把握し、自分はどちらがおすすめのタイプか判断すると、あとはその中から最適な商品を選べばいいわけです。
正しい知識を身につけて、失敗しない保険選びをしましょう。
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生命保険や医療保険などの保険商品は、1社のサービス内容を見て判断するのではなく、複数社を比較して決めるのが失敗しない保険選びには必要ですが、「i保険」ならネット上で比較できます。
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気になる方は利用してみてくださいね。
医療保険とがん保険の違いは?
二つを比較してみる事で、特徴や違いが鮮明になります。
まずは両者の違いをしっかりと把握してから、自分はどちらが合うタイプなのかを見て行きましょう。
違いが一目瞭然!医療保険とがん保険を表で比較
【医療保険とがん保険の比較】
医療保険 | がん保険 | ||
---|---|---|---|
保障対象 | がん | 〇 | ◎ |
がん以外の病気 | 〇 | × | |
ケガ | 〇 | × | |
免責期間 (不担保期間) |
無 | 90日 | |
給付金 | 入院給付 | 〇 | 〇 |
手術給付 | 〇 | 〇 | |
診断給付金 (一時金) |
× | 〇 | |
通院給付金 | × | △ | |
放射線治療給付金 | × | 〇 | |
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金 | × | 〇 | |
自由診療抗がん剤・ホルモン剤治療給付金 | × | 〇 | |
特約 | 先進医療給付金 | 〇 | 〇 |
通院給付金 | 〇 | 〇 |
上図から「医療保険」と「がん保険」の最も大きな違いは保障対象であると言えます。
大前提として、「がん保険はどんなに手厚い保障がついていても、がん以外には適用されない」という一点特化タイプの保険です。
一方で、「医療保険」はがんを含めた幅広い病気、ケガを保障対象としています。
ここだけを見れば「医療保険」一択なのですが、「がん保険」という保険商品が存在し、実際に加入者が沢山いるのには理由があります。
それは、「がん保険」は一点特化している分、保障の種類も手厚さも「がん」に関しては「医療保険」よりも優れているからです。
両保険についてもう少し詳しく見て行きましょう。
ポイント
医療保険はがんを含めた病気やケガを広く保障
医療保険は幅広い病気やケガを保障するため保障上限があります。
しかし、保障上限があると言っても、平均的なケースはほぼカバーできます。
医療保険の基本的な保障には入院給付金と手術給付金の2つがあり、更に心配な部分の保障を厚くする「特約」を付与する事ができます。
【入院給付金】
2:日額8,000円
3:日額10,000円
など
※給付日数には上限が設けられている事が多い。
⇒一回の入院で60日迄とし、通算1,095日
など
【手術給付金】
2:1回入院給付金の10倍
など
【特約(給付金)】
∟かかった先進医療の技術料と同額
※上限2000万円迄
など2:通院特約
∟入退院前後の通院1日3,000円
∟入退院前後の通院1日6,000円
※上限あり
など
ポイント
1:入院給付金
2:手術給付金
3:特約(任意で付与)
日本では発達した医療制度と医療保険でだいたいのケースをカバーできる
「いくら広い保障でも、保障上限があるなら結局損をするのではないか?」
意外とそうでもないのです。
日本においては高額療養費制度があり、月あたりの自己負担上限が設けられているため、一か月まるまる入院しても費用は約22万円程というデータがあります。
【医療保険の保障例】
5,000(円) × 30(日) = 150,000円
・手術給付金
100,000(円)150,000 + 1000,000 = 250,000円
この事から、平均的なケースで考えると、一か月まるまる入院しても医療保険の保障で充分カバーできると言えます。
「じゃあ逆にがん保険が必要ないのでは?」
という疑問が次に出てきます。
実は、「がん」に限っては平均的な数値を(大きく)超えるケースが多いのです。
ポイント
⇒保障は広いが上限がある
がん保険はがんのみに特化した保障
がん保険は特化した分、実情(治療や治療方針)に合わせた保障を実現しています。
良くも悪くも、医療保険は保障が広いので、「入院給付金と手術給付金でザックリとこの位」という考え方です。
そのため、がんの種類や治療方法によっては給付金が足りない場合や、保障対象外の場合があります。
では、がん保険特有の給付金をいくつか見てみましょう。
【がん保険特有の保障】
- 診断給付金(一時金)
- 通院給付金
- 放射線治療給付金
- 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
- 自由診療抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
このように、がん保険の場合はまず診断された時点で診断給付金(一時金)(100万円200万円など)が給付されます。
また、「手術」・「放射線治療」・「抗がん剤治療」を「がんの三大治療」とよび、がんになった場合、ほとんどの方はこのうちどれかの治療をします。
がん保険は、「がんの三大治療」のように必要不可欠な治療に対しての保障がしっかりされています。
また、医療保険の「入院給付金」は給付日数に上限が設けられている事が多いですが、がん保険は無制限の場合が多いです。
ポイント
■がんの三大治療 = 保障
■入院給付の給付限度 = 無期限が多い
特化した分「免責(不担保)期間」という制約が設定されている
医療保険にはあまりみられませんが、がん保険は「免責(不担保)期間」と呼ばれる、加入してから保障されない日数が90日程、ほとんどの商品で設定されています。
これには理由があり、一部のがんは自分でかかった事を疑う事ができます。
※乳がんの場合、乳房にしこりがある等
かかってから保険に入れるなら皆そうしますし、まっとうな保険加入者との公平性がとれません。
また、そういった不正が蔓延してしまうと、保険料以上に保障が多くなり正しい運用ができなくなります。
そのため、加入から90日間は「免責(不担保)期間」が設けられています。
ポイント
実情に合わせ日々新しい商品が作られている
最近は通院給付や「がんの三大治療」に対しての保障を厚くした商品や、かかった医療費の実費を保障する商品も出ています。
近年、がんの治療は入院から通院治療にシフトしています。
入院給付は入院しないともらえませんので、通院でかかる治療費は通院給付がなければ保障されません。
このように現代医療の実情に合わせ、がん保険(もちろん医療保険も)も新しい商品がどんどん出されています。
がん保険が「がんのみを保障」する2つの理由
がんは治療方法だけでなく、根本的な原因として「治療費」と「期間」がかかる事が多い病気だからです。
そのため、医療保険の浅く広い保障では充分と言えない場合が出てきます。
浅く広いという商品性性質上、医療保険の保障を、がんの保障に関してだけがん保険と同等までひきあげる事は不可能です。
※がん特約はあります
そのためがん保険が存在し、前述のような「がんの三大治療」のように、がん特有の治療などを保障しています。
ではなぜ「治療費」と「期間」がかかるかを説明していきます。
理由1:がんの治療費は平均よりも高い
1件あたりのがんの治療費は、入院した場合で70万円程、通院で5万円程かかります。
※後期高齢者医療を除く
盲腸を例に上げると、入院を4,5日して外科手術をした場合は20万円程度です。
両者の治療費のブレについて考えてみましょう。
盲腸は病状などで治療費が倍になる事は非常に稀だと言えます。
対してがんは、治療費が倍どころか1000万円を超える事もあります。
※先進医療の「陽子線治療」は一回の技術料が300万円程度で保険適用対象外
このように、がんは治療費が平均よりも高いうえ、上振れする金額幅が非常に大きいのです。
そのため、がん保険が「がんのみ」を専門に保障し、高額になる治療(三大治療など)や、先進医療(特約)を保障しています。
※先進医療特約は医療保険にもあります
※ここでの医療費は自己負担の3割では無く10割を表記
ポイント
理由2:がんの治療期間は平均よりも長い
がんは「転移」と「再発」をする病気なので、治療期間が長くなりがちです。
手術で完全にがんを摘出したと思っても、目に見えない「微少転移」があり再発をしたり、抗がん剤や放射線治療で縮小していたがんが再び大きくなったり、他の場所へ転移したりします。
単純にがんを手術で取ったり、抗がん剤で縮小したからといって、「はい治療おしまいです」という訳にはいかないのです。
予後の「転移」と「再発」に気を付けなければならないので、通院も必要ですし「転移」や「再発」をした場合は再び治療が必要になります。
がんを手術で取り除き「転移」や「再発」がないと判断されれば、治療期間が半年未満になるケースも多いのは事実です。
しかし、「抗ガン剤」の治療で効果を確かめながら治療を進めたり、「転移」や「再発」があった場合は治療期間が何年もかかる場合もあります。
ポイント
長期間働けない心配は就業不能(所得保障)保険
医療保険とがん保険はあくまで治療に対しての保障で、給料を保障する目的では作られていません。
長期間働けない場合、もらえない給料の保障に関しては就業不能(所得保障)保険という専門の保険商品があります。
就業不能(所得保障)保険は、文字通り働けなくなった場合の保障なので、原因は「がん」でも「その他の傷病」でも保障されます。
※条件はあります
就業不能(所得保障)保険に加入する前に考えておきたい事として、サラリーマンの場合は「傷病手当金制度」という、最長1年6か月間にわたって給料の約6割を給付してくれる制度を利用できます。
この制度は「公的医療保険」の制度なので、(民間)医療保険やがん保険に加入していない場合でも利用できます。
利用するには条件があり、勤続年数や出勤状況が関係してきますので、会社に相談をしてみましょう。
この制度を使えば、給料の約6割にはなりますが、1年6か月と言う長期間の給付がされますので、就業不能(所得保障)保険の加入は、「傷病手当金制度」を利用してもまだ必要なのか判断する必要があります。
ポイント
∟「傷病手当金制度」を利用してもまだ必要なのかを検討する事。
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医療保険とがん保険|どっちに入るべき?
これまでに説明した医療保険とがん保険の特徴から、どちらに入ったほうが良いかのタイプ分けができます。
必要のない保険に加入する事は損でしかありませんので、自分はどのタイプで、どちらの保険に入るべきかの参考にしてください。
医療保険とがん保険を両方セットで入る必要はない
大前提として、どちらに加入するか悩んでいる場合は両方セットで入る必要はありません。
これまでの説明で、「絶対に両方の保障が必要だ」と思う場合は「医療保険」と「がん保険」の両方に入るべきです。
ただし、保険料は両方支払わなければなりませんし、医療保険にはがん特約もあり、ガン保険とある程度重複した保障をかける事ができます。
「良く分からないからとりあえず両方入ったものの、保険料の負担が重い」となるようでは本末転倒です。
良く分からないからこそ、どちらに加入するべきかを吟味する必要があります。
「医療保険が合うタイプ」と「がん保険が合うタイプ」をこれから挙げていきますので、自身はどちらが合うのかを確認しましょう。
こんな方は医療保険に加入するべき
以下のいずれかに当てはまる場合は医療保険に加入する事をおすすめします。
- 体が弱いので特定の病気やけがに限定せず保障が欲しい
- 余分に保険料を支払うのが嫌
- 蓄えが充分にない
【体が弱いので特定の病気に限定せず保障が欲しい】
がんのみを保障するがん保険よりも、浅く広い保障の医療保険がマッチしています。また、がん特約でがんに対しての保障を厚くする事もできます。
【保険料をいくつも支払うのが嫌】
「保険料は出来る限り払いたくないが保障は欲しい」という場合は医療保険一択です。がん保険は保障対象が「がんのみ」ですが、医療保険は「がんを含めた様々な病気やけが」を保障してくれます。
【蓄えが充分にない】
この場合はそもそもがんに限らず、どの病気やケガでも、ある程度の治療費が必要になった場合生活が破たんするかもしれません。医療保険で広い保障を得るべきです。
こんな方はがん保険がベスト
- 蓄えである程度ならしのげるが、高額な治療費が必要ながんには備えたい
- がんにかかった際の不安が大きい
- がん家系である
【蓄えである程度ならしのげるが、高額な治療費が必要ながんには備えたい】
がんは治療費、期間の上振れが非常に大きいので、上振れしてしまった場合はある程度の蓄えがあっても蓄えでカバーできない可能性があります。蓄えがあるからこそ、がんという「(超)高額になり得る治療費」や「長い治療期間」に備えるべきです。
【がんにかかった際の不安が大きい】
医療保険の広く浅い保障では、がんの種類や治療法によっては完全にカバーができません。がん保険へ加入する際に、何に対して不安なのかを整理し、必要があれば特約を付けることでリスクヘッジできます。
【がん家系である】
がんは遺伝します。「遺伝性腫瘍症候群」と言われ、例えば大腸がんのうち、5%は「遺伝性腫瘍症候群」です。
この数値が、高いと見るか低いと見るかは人それぞれですが、「遺伝性腫瘍症候群」が起こる家系には特徴が3つあります。
【「遺伝性腫瘍症候群」が起こる家系の特徴】
- 家系内に若い年齢でがんにかかった人がいる
- 家系内に何回もがんにかかった人がいる
- 家系内に特定のがんが多く発生している
この特徴に当てはまる場合は迷わずがん保険に加入してください。
もし5%に該当していれば、遺伝子レベルで「がんにかかる可能性が高い」事が証明されています。
遺伝性腫瘍の遺伝相談(カウンセリング)について
特に親ががん(だった)や、自分自身不安がある場合は遺伝相談(カウンセリング)をする事ができます。
遺伝カウンセリングは、東京都の場合「国立がんセンター中央病院」などで実施できます。
遺伝性の高いがん(遺伝性腫瘍)は親から子へ50%の確率で遺伝するものがあります。
【親から子へ50%の確率で遺伝するがんの一例】
- 大腸がん:家族性大腸腺腫症(FAP)
- 大腸がん:リンチ症候群(HNPCC)
- 遺伝性乳がん・卵巣がん
先に述べた家系の特徴はすぐに判断できますが、当てはまるから確実に「遺伝性腫瘍」の遺伝子があるということではなく、実際に「遺伝性腫瘍」なのかは検査をしてみないと分かりません。
がん家系で遺伝的に不安がある場合は、検査をしてはっきりさせる事もお子さんや家族の為になり得ます。
また、がん保険の加入に関してのみ考えると、この検査で「がん」が見つかった場合はがん保険の加入はできません。
がん保険加入時に、必ず「告知書」というものを保険会社に提出する事になりますが、「告知書」の質問事項には「がんにかかった事がありますか」という項目が必ずあるからです。
この質問に「はい」となってしまう為、加入する事ができなくなります。
「がん」でなかった場合、「告知書」に記入したその他の内容が、問題無ければ「がん保険」の加入ができます。
加入できるかできないかは大きな問題ですので、疑問点などがあれば加入前に必ず保険会社に確認をとりましょう。
まとめ
医療保険とがん保険は、そもそも優劣をつけるものではありません。
加入する側である私たちが何を必要としているかで、どちらがいいのか決まります。
医療保険とがん保険の資料請求をして、自身で調べたり、家族と話し合って決めてもいいでしょう。
それで決められない場合や迷った場合は、保険のプロに相談する事で確実に解決できます。
保険商品の細かな部分まで知っているので、自分自身にあった保険に加入する事が出来るからです。
ただし、保険のプロに相談する場合でも、ここまでの記事で説明したように、自身はどのような保障が欲しいのか、何に対して不安があるのかは必ず聞かれますので、この部分をあいまいにせず明確にしておく事が重要です。
自身を良く知り、適切な保険商品に加入しましょう。