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終身保険の失敗しない選び方・4つのステップ

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結婚したばかりの世代の人が保険の相談に行くと、よく加入をすすめられる保険の1つに「終身保険」があります。

保険の勧誘においては、終身保険に加入することをなかば当たり前のように言ってくることも多いですが、実はそうとも言えません。

そのため、この記事ではまず終身保険のもつ特徴を明らかにし、どんなケースで利用するものなのかという点を解説します。そして、終身保険にもいろいろな種類がありますので、目的に合わせてどの商品を選んだら良いかということも解説します。

終身保険は使い方を間違えなければ価値のあるものですが、反面、よく知らずに加入すると保険料の無駄遣いになったり、いたずらにお金を拘束されてしまったりします。

そのため、これから加入するなら基本的なことは知っておくべきですし、すでに加入しているなら見直しも検討してみてください。

終身保険とは

ここではまず、終身保険の基本的な知識について解説します。

終身保険の特徴を理解するには、似た性質を持つ養老保険や定期保険と比較するとわかりやすいので、それぞれの保険を終身保険と比較しながら、どこが違うのかという点について解説します。

終身保険の3つの特徴

終身保険には、以下の3つの特徴があります。

終身契約であること
終身保険はその名からわかるとおり、終身契約の保険です。そのため、途中で解約しない限りは保障が一生涯、続きます。

死亡または高度障害状態を保障すること
名前に「終身」とついている保険には終身医療保険や終身がん保険などもありますが、単に「終身保険」と言っているときは、終身「死亡」保険を指しています。また、死亡だけでなく、所定の高度障害状態になったときも同額の保険金を受け取ることができます。

貯蓄型であること
終身保険は掛け捨てではなく、貯蓄型の保険です。そのため、解約したときは原則として解約返戻金(解約して戻ってくるお金)があります。また、保険金額が同額であっても、掛け捨ての保険と比べて保険料が高くなります。

養老保険や定期保険との違い

養老保険と終身保険の違い
終身保険と似ている保険の1つに養老保険があります。養老保険も死亡を保障する保険なので、保険の対象となる人が死亡または所定の高度障害状態になれば保険金がおります。
ただし、養老保険は契約期間に必ず終わりがあるため、終身契約にはならない点が違います。

定期保険と終身保険の違い
定期保険も死亡保険の1つなので、終身保険と同様に保険の対象となる人が死亡または所定の高度障害状態になれば保険金を受け取ることができます。
ただし、定期保険は契約期間の定めがあること、貯蓄型ではなく掛け捨てであることの2点が違います。掛け捨てなので、契約期間中に解約した場合や契約が終了したときは、基本的にお金が戻りません。

これらは「保険の3つの型」として、よく教科書で解説されます。以下のサイトで図が掲載されていますので、理解を深めたい場合はこちらをご覧ください。

終身保険を利用する目的を考えよう

終身保険を利用する目的として一般に言われていることはいくつかあります。それぞれについての内容と、その妥当性について以下で解説します。終身保険の勧誘を受けたときは、これらのどれに当てはまるか考えてみてください。

遺族の生活保障を得ること

遺族の生活保障を得ること → ×

結婚したばかりの夫婦で、夫の収入に大きく依存している家庭は珍しくありません。そうした家庭で夫に万が一のことがあると、遺された遺族は生活に困ることが多いです。

このようなときは国から遺族年金が支給されますが、若いうちに亡くなるとその金額も少ないため、十分な生活ができません。そこで、万が一の事態に備えて死亡保険に加入するのですが、通常、保険金額は1,000万円単位の高額になることが多いです。

終身保険は貯蓄型の保険なので、保険料はどうしても高くなります。

たとえば30歳の男性が1,000万円の定期保険と終身保険に加入するとした場合、定期保険なら保険料は1,883円なのに対し、終身保険では21,640円となります(オリックス生命「ブリッジ」と「ライズ」で試算。終身保険の保険料は60歳払済で計算)。

もし、保険金額が2,000万、3,000万となったら保険料はかなり高額になります。貯蓄型なので解約したときにお金が戻るにしても、これだけ高い保険料を払い続けるのは現実的ではありません。

葬式代を準備すること

葬式代を準備すること → △

保険の勧誘において一番、終身保険をすすめられる理由がこれです。葬式にかかる費用は平均で200万円くらいなので、これを終身保険で準備しましょうというのが一般的な説明です。

結論から言うと、高齢の人がこの目的で利用する場合は良いですが、若い人にはおすすめしません。

まず、葬式にはいろいろな種類があります。多くの参列者を呼んで立派な葬式をするなら200万円くらいの費用が発生するのが普通です。しかし、参列者が多ければ香典収入もありますので、最終的な負担はそこまで大きくありません。

故人の銀行口座が自動的に凍結されるというも正しくありません。仮に凍結されても、葬儀代程度の金額なら所定の手続きをとることで引き出すことが可能ですし、クレジットカードで払える葬儀社であれば、限度額を一時的に引き上げてもらって対応することもできます。

また、最近は葬儀もお金をかけずに済ませたいというニーズが増えています。火葬式や家族葬などであれば、数十万円程度の費用で済みます。

それなりの葬儀をしなければならない地域に住んでいるなら別ですが、まず、本当に立派な葬儀が必要なのか考えてみましょう。

注意ポイント

「葬式代を終身保険で準備しましょう」は、単なるセールストークです。

貯蓄・運用目的での利用

終身保険ならお金が増えて戻る

貯蓄・運用目的での利用 → ○

終身保険は貯蓄や運用目的で利用することができます。

死亡するまで加入していれば、払い込んだ保険料よりも多くのお金を受け取ることができますし、生命保険料控除の枠が空いていれば、それによる節税効果も得られます。

ただし、終身保険は中途解約のリスクがあります。定期預金であれば、満期前に解約しても元本割れすることはありませんが、終身保険の場合は元本を大きく割ります。そのため、保険は預金と投資の間に位置づけられる、ミドルリスク・ミドルリターンの方法だととらえておけば良いでしょう。

また、中途解約したときでも元本割れをしたくなければ、より高いリスクをとる「低解約返戻金型終身保険」を使う必要があります。

低解約返戻金型終身保険については後述しますが、契約してから一定の期間を超えると、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を超えるので、その時期以降であれば、元本割れせずに解約することが可能になります。

教育資金の準備でも使える

終身保険は、学資保険の代わりとしても使えます。

学資保険は子供の教育資金を準備する目的で加入しますが、終身保険を利用しても、学資保険に加入するのと同じような効果を得ることができるからです。

教育資金の準備においては通常、低解約返戻金型終身保険が利用されます。教育資金の準備期間は、最大でも子供が産まれてから大学に入学するまでの18年程度であることが多く、一般的な終身保険ではお金を増やすことができないからです。

学資保険と終身保険ではどちらが有利なのかという問題がありますが、これは、そのときの状況によっても変わりますので一概には言えません。この点については以下の記事で解説していますので、興味のある方は参考にしてください。

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相続対策での利用

相続対策での利用 → ○

相続対策として終身保険を利用することは、一般的によく行われています。

相続が発生したとき、預貯金で保有していればそれは相続税の課税財産になりますが、これを終身保険にした場合は「みなし相続財産」という扱いになり、500万円×法定相続人の数までが非課税となります。

また、生命保険金は受取人の固有の財産として扱われます。つまり、遺産分割協議の対象外であり、原則として遺留分減殺請求(※)の対象にもなりません。

一時払い終身保険は職業の告知だけで申し込めることもありますし、高齢者でも加入できることが多いです。そのため、相続対策を考える場合は終身保険の活用を検討しましょう。

※法定相続人には、被相続人(故人)の財産を必ず受け取れる割合が法律で決められており、それが遺言で侵害されているときに行使できる権利です。

終身保険の種類

終身保険は一般的な商品だけでなく、以下で紹介するようなさまざまな種類があります。これらを利用するにあたっては目的に合わせて使い分けるべきなので、その特徴を理解して活用してください。それぞれの終身保険について、実際の商品例を挙げて解説します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険とは、一般的な終身保険と比較して、解約返戻金の金額を7割程度におさえたものです。

契約してから一定の期間を超えると、解約返戻金の金額が払い込んだ保険料の総額よりも多くなります。低解約返戻金型終身保険は先述したとおり、学資保険の代わりとしてよく使われています。

たとえばオリックス生命「RISE」の場合、30歳で契約すると、45歳の時点で解約返戻金が払込保険料の総額を上回ります。そして、時間が経てばどんどん解約返戻金が増えていきます。この効果を利用して学資保険よりも大きな効果が期待できる場合に活用されるわけです。

ただし、中途解約した場合のリスクもその分高くなっているので、確実に解約しないで済む金額で利用することが大事です。

積立利率変動型終身保険

保険は固定金利商品と、変動金利商品があります。通常は契約時における予定利率(保険会社が契約者に対して約束する利回り)で保険料が決まるのですが、積立利率変動型終身保険の場合、予定利率が市場金利に応じて変動します。

そのため、市場金利が低いときに契約した場合、その後のインフレに対応できるというメリットがあります。

たとえばメットライフ生命の「つづけトク終身」は、積立利率を10年ごとに更改します。

ただ、2018年5月現在、こうした商品の数は限られています。インターネットでは外貨建ての商品をのぞいてほぼ見当たりませんが、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店に行けば見つかる可能性がありますので、どうしてもこのタイプの終身保険に加入したい人は、乗合代理店に行ってみてください。

変額終身保険

変額保険とは、加入者から集められた資金を一般の保険とは別扱い(特別勘定と言います)で運用し、その運用成績によって保険金や解約返戻金の金額が「変額」する保険です。終身で加入する変額保険を変額終身保険と言います。

保険金については最低保障がありますので、運用成績が悪くても減ることはありません。そして、運用成績が良ければ増えます。

ただし、解約返戻金については最低保障がありませんので、運用成績によって上下します。運用成績が悪ければ大きく減ることもありますので、そこがリスクとなりますが、定額の終身保険と比べて保険料が安いというメリットもあります。

保険の対象となる人が死亡するまで加入するという前提なら、保険金の最低額が保障されたうえ、うまくいけば受け取る金額も増えることになりますのでメリットが大きいです。

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険とは、保険金や解約返戻金、予定利率が外貨ベースで決まっている終身保険です。米ドル建てや豪ドル建ての商品が多いです。日本の金利が低いときに、金利の高い国の通貨で運用したいというニーズに対応できる商品です。

たとえばソニー生命の「米ドル建て終身保険(無配当)」では、保険料の払込を円で行い、保険金や解約返戻金は円または米ドルで受け取ります。保険料はソニー生命が決めた為替レートで円換算されて決まるので、円ベースでの金額は変わります。

外貨建ての保険ですから、外貨ベースの保険金や解約返戻金は契約時に決まっていても、為替リスクがあります。そのため、円で保険金や解約返戻金を受け取るときは、当初想定していた金額よりも大きく減るリスクがあります。

利率変動型積立終身保険

利率変動型積立終身保険は、先述した積立利率変動型終身保険とはまったく違うものです。

アカウント型保険とも呼ばれていますが、基本的におすすめできない保険だということをまず知っておいてください。そして、以下のような特徴があります。

  • 保険期間は一生涯で、保険期間を保険料の払込満了前後の2つにわける
  • 保険料を貯金のように積み立てる。適用される金利は変動する
  • 終身保険なので死亡保障がメインだが、医療保障などをつけることを想定した商品
  • 保障に回す金額と積み立てる金額を自由に決められ、積み立てた保険料は自由に引き出せる
  • 保険料の払込が終わると、その時点で貯まっている積立金を原資として終身保険とする。金額はその時期まで決まらない

利率変動型積立終身保険は仕組みがわかりづらく、契約者にとってのメリットが薄い商品なので、今はどこの代理店に行ってもすすめられることはないでしょう。そのため、こういう商品があるということだけ覚えておけば十分です。

注意ポイント

利率変動型積立終身保険と積立利率変動型終身保険を間違えないようにしましょう。

終身保険に加入するときの4つのステップ

以上をふまえ、終身保険に加入するときは、次の4つのステップで決めましょう。

目的をはっきりさせる
終身保険が本当に必要なのか、必要ならどんな目的を達成したいのかはっきりさせましょう。

自身に合った種類を選ぶ
先述したとおり、終身保険は一般的なタイプだけでなく、さまざまな種類があります。自身の目的に合ったものを選びましょう。

返戻率の良い商品(=保険料が安い)を選ぶ
同じタイプの商品が複数あるのなら、返戻率の良い商品を選びましょう。返戻率の情報はインターネットでは手に入りませんので、代理店に行って見積もりを出してもらってください。

保険料の払い方を決める
一般的に、保険料の払込期間が短い方が返戻率が高くなります。ただし、生命保険料控除の節税効果は保険料を払っている間しか得られませんので、その点に注意してください。

まとめ

終身保険はとても多くの種類と商品があります。そのため、自分の力だけで選ぼうとせず、プロに相談して一緒に考えるのが良いです。

特に解約返戻金についての情報は、インターネットではまずわかりません。解約返戻金の金額は個々の条件によって大きく変わりますので、代理店でないと手に入らないのです。こうしたことは、一般の人はほとんど知りません。

代理店に行くと無理な勧誘を受けるのではと考える気持ちも理解できますが、同時に良い保険にめぐりあう機会も失っています。保険屋さんの中にも、自分の成績を上げることだけを考えている人ばかりではありませんので、良くない相談員だと思ったら断るつもりで、勇気を出して相談に行ってみると良いでしょう。

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