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つみたてNISA(積立NISA)は元本保証される?積立NISAを始める前に知っておくべきデメリットや注意点

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少額の投資から得られた利益を非課税とする積立NISA(ニーサ)ですが、残念ながら元本保証はされません。

しかし、使い方によっては元本保証に近い形で運用することも可能です。

そこで、この記事では「なるべく元本割れを避けて運用したい」と考える人に役立つ情報を解説します。

また、一般NISAとの違いや、預金や保険といった他の運用方法と比較したうえでの積立NISAがもつ利点について解説しています。

積立NISAはiDeCo(イデコ)とも併用できますし、非課税期間が20年もあるので、うまく活用すればその恩恵はとても大きいです。

積立NISAの始め方も基本から解説しますので、これから始めようという方はぜひ参考にしてください。

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積立NISAのデメリットや注意点

積立NISAを活用するうえでは、そのデメリットや注意点について知っておくことが必要です。20年間も非課税になるというメリットを活かすうえで、デメリットや注意点についての知識は欠かせません。そのため、最初にしっかり理解しておいてください。

積立NISAの4つのデメリット

積立NISAには、次のような4つのデメリットがあります。

元本保証されない
積立NISAで運用ができる商品は投資信託のみですので、元本保証はされません。これは積立NISAに限らず、投資商品であれば何でも同じです。

投資対象が限定される
積立NISAは一般NISAと比べ、投資可能な商品の数が限られています。平成30年4月23日現在では、全部で149本の投資信託のみとなっています。多くの商品から選びたいなら、積立NISAではなく一般NISAの方が向いているといえます。

損益通算できない/繰越控除できない
株式などの売買から生じた損益は、そのすべてを通算して確定申告できるのが原則です。

たとえばA株式の売買で20万円の利益を得て、B株式の売買で30万円の損失を出した場合、トータルの利益はマイナスなので納税の必要はありません。しかし、積立NISAで生じた損益はこれができません。

また、上場株式などの譲渡損は3年間、繰り越すことができるのですが、これも積立NISAではできません。

上限がある
積立NISAの投資上限は、年間で40万円までとなっています。一般NISAであれば120万円なので、多額の投資をしたい人には向いていません。

積立NISAの4つの注意点

積立NISAを活用するうえでは、次の点にも注意してください。

投資した年に売っても、その枠は再投資できない
積立NISAの年間投資枠は40万円が上限と決められています。年の初めに購入した銘柄を変更したいという理由で解約し、別の銘柄に投資する場合は新たな投資枠を消費することになります。

スイッチングできない
スイッチングとは、銘柄を入れ替えることです。NISAの口座がある金融機関に課税口座(普通の口座)をもっていて、そこで運用されている銘柄があったとしても、それと入れ替えることはできません。

20年経過時に損があると、そのタイミングで売ったのと同じ結果に
積立NISAの運用期間の上限は20年ですが、20年を超えると課税口座に払い出されます。投資額が30万円で20年経過時の時価が20万円となった場合、その後30万円に値が戻ったときに解約すると、元の価格に戻っただけなのに、10万円の利益が生じたものとして課税されてしまいます。

分配金を非課税にするには、条件がある
NISA口座で運用している投資信託の分配金を受け取る場合、「証券会社で受取る方式(株式数比例配分方式)」という形で受け取っていないと非課税になりませんので注意してください。

注意ポイント

分配金の受け取りは、株式数比例配分方式にするのを忘れずに!

つみたてNISA(積立NISA)で元本割れを避けるには

積立NISAで投資できるのは投資信託のみなので、元本保証はありません。しかし、方法によっては元本保証に近い形で運用することもできないわけではありません。ここでは元本割れをなるべく避けたいという方のために、どのようにすればよいか解説します。

長期・分散・積立投資は元本割れしにくい

金融庁は積立NISAの導入にあたり、国内外の株式・債券に積立・分散投資した場合の収益率について公開しています。これは実績データです。

保有期間5年の場合はマイナスになることもあり、100万円を投資した場合は-72万円~173万円という結果になっています(7ページ右)。

保有期間5年

しかし、保有期間が20年になると収益率が2%~8%になるというのです。100万円を投資すれば、185万円~321万円にもなるのです。

保有期間20年

また、引用元には、次のようなデータも合わせて掲載されています(1995年~2015年の結果、7ページ左)。

  • 定期預金で運用した場合・・・年平均の利回り0.1%
  • 国内の株・債券に2分の1ずつ投資した場合・・・1.9%
  • 国内・先進国・新興国の株・債券に6分の1ずつ投資した場合・・・4.0%

今後、必ず上記のデータと同じ結果が得られるという保証はありません。しかし、この考え方にしたがって投資をすれば、元本割れを防げる確率はかなり高くなるのではないでしょうか。引用元のデータをよくご覧になったうえで、検討してみてください。

注意ポイント

過去のデータは、将来の保証にはなりません。

2008年~2017年のデータ

投資情報誌「ZAI」のオンライン版で、とても良いデータがありましたので引用します。各対象に投資したときの成績です。

2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1位 国内債券 3.4% 新興国株 83.8% Jリート 34.1% 国内債券 1.9% Jリート 41.0% 先進国株 54.8% 海外リート 41.8% 日本株 12.1% Jリート 9.9% 新興国株 23.7%
2位 先進国債券 -15.5% バランス 46.6% 海外リート 5.8% 新興国債券 1.8% 海外リート 38.7% 日本株 54.4% Jリート 29.7% 海外リート 2.1% 新興国株 8.2% バランス 13.9%
3位 新興国債券 -28.6% 海外リート 39.6% 新興国株 3.8% 先進国債券 0.2% 新興国株 33.3% バランス 42.8% 新興国債券 22.3% 新興国債券 1.5% 新興国債券 6.9% 先進国株 12.6%
4位 日本株 -40.6% 先進国株 37.7% 国内債券 2.4% 海外リート -2.0% バランス 32.2% Jリート 41.1% 先進国株 21.4% 国内債券 1.1% バランス 6.0% 日本株 12.5%
5位 Jリート -48.6% 新興国債券 33.2% 日本株 1.0% 先進国株 -8.9% 新興国債券 32.1% 海外リート 24.3% バランス 19.6% 先進国株 -0.9% 先進国株 5.4% 新興国債券 5.2%
6位 先進国株 -52.6% 日本株 7.6% バランス -0.7% バランス -11.8% 先進国株 31.9% 先進国債券 22.7% 先進国債券 16.4% バランス -3.2% 海外リート 3.1% 先進国債券 3.4%
7位 バランス -53.6% 先進国債券 7.4% 新興国債券 -2.2% 日本株 -17.0% 日本株 20.9% 新興国株 18.8% 新興国株 12.0% 先進国債券 -4.5% 国内債券 3.0% 海外リート 2.3%
8位 海外リート -56.1% Jリート 6.2% 先進国株 -2.4% Jリート -22.2% 先進国債券 20.4% 新興国債券 15.1% 日本株 10.3% Jリート -4.8% 日本株 0.3% 国内債券 -0.1%
9位 新興国株 -62.0% 国内債券 1.4% 先進国債券 -12.7% 新興国株 -22.4% 国内債券 1.9% 国内債券 2.0% 国内債券 4.2% 新興国株 -14.3% 先進国債券 -3.0% Jリート -8.2%

このデータをずっと追っていくとわかるのですが、国内債券に投資した場合、2017年以外は一度もマイナスになっていません。

2008年はリーマンショックがあった年で、そのほとんどが大きなマイナスとなっています。しかし、国内債券だけはプラスになっています。

2012年や2013年は収益率が50%を超えているものもあるほど好調ですが、国内債券は平年と大きく変わらずとなっています。しかし、裏を返せば安定した収益が見込めるということです。

投資した初年度に大きく損を出すと、元に戻すのが大変になります。元本割れを避けたければ、大きく減らない投資対象を選ぶのが良いでしょう。

積立NISAを他の運用手段と比べた場合のメリット

ここでは、積立NISAを他の手段と比べた場合のメリットについてまとめます。積立NISAは利益や分配金が非課税になるというメリットがありますが、必ずしもそのメリットが受けられるとは限りません。そのため、他の運用手段も冷静に検討してみてください。

積立NISAと預金

預金については預金保険制度に加盟している金融機関であれば、元本1,000万円までとその利息が全額保護されます。1,000万円を超える資金があるのなら、1,000万円ごとに金融機関を分ければ良いわけです。

しかし、金利の低い現在は、定期預金であっても0.3%程度の利息しかつきません。大手都市銀行ですと0.01%程度なので、もはやまったく増えていないと言っても過言ではありません。金利が低いだけでなく、さらにここから20.315%の税金が引かれます。

先述したとおり、積立NISAは活用の仕方次第で元本保証に近い形で運用することができます。長い時間、寝かしておける資金があるのであれば、積立NISAを活用して預金よりも高い利回りを狙う方が良いでしょう。

積立NISAと保険

終身保険や個人年金保険などの貯蓄型保険を活用すれば、資金の運用をすることができます。

万が一、保険会社が破綻した場合は、救済保険会社が現れればそこに契約が引き継がれます。

現れない場合は、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構が解約返戻金のうち、8割~9割程度を補償することになっています。

ただ、保険の利回りは市場金利と連動するので、市場金利が低いときは、利回りの良い商品が少なくなります。そのため、あまり大きな利益は期待できません。

保険のデメリットは、契約してから短期間での解約によるマイナスが大きい点です。積立NISAで運用する場合は、仮に購入してから短期間で換金することになっても、このようなデメリットはありません。

積立NISAと一般NISA

一般NISAが積立NISAと違う点は次のとおりです。

  • 年間の投資額・・・一般NISA 120万円、積立NISA 40万円
  • 非課税となる期間・・・一般NISA 5年、積立NISA 20年
  • 投資できる商品・・・一般NISAは国内株式・海外株式・投資信託の3種類、積立NISAは金融庁が認定した投資信託のみ
  • 投資できる商品の数・・・一般NISA 約6,000、積立NISA 149本

一般NISAでも毎月の積立による投資が可能なので、積立投資がしたいだけなら積立NISAでなくても構いません。

また、年ごとに一般NISAと積立NISAを選択できるので、一時的に投資額を引き上げたいときは、積立NISAから一般NISAに切り替えれば良いです。税金面での恩恵は、どちらでも変わりません。

なお、一般NISAの非課税期間は5年ですが、ロールオーバーという仕組みがあって、希望すればさらに5年間、延長することができます。そのため、実際は10年と言えます。

一般NISAと積立NISAはどちらか1つしか選べませんが、一度決めたらずっと片方しか使えないわけではありません。そのため、年ごとにどちらを利用すべきか検討するのが良いでしょう。

積立NISAとiDeCo

積立NISAは資産形成全般に使うことができますが、iDeCoは「個人型確定拠出年金(individual-type Defined Contribution pension plan)」の略称なので、年金資産の構築をサポートする趣旨の制度です。

そのため、iDeCoで運用する資産は60歳まで払い出しができません(用途は問われません)。

iDeCoは掛金が所得控除の対象ですし、運用益は非課税で再投資できます。また、受取時も有利な税制を利用できるので、その多くは税金がかからず運用できます。税制面のメリットは積立NISAよりも大きいです。

ただし、iDeCoは拠出金に大きく個人差があります。

自営業者は月額6.8万円と大きいですが、会社員や公務員、専業主婦は月額1.2万円~2.3万円までとなっています。積立NISAなら年間で40万円まで投資できますので、こちらの方が運用できる金額は大きいです。

iDeCoとNISAは併用できますので、60歳以降に活用する資金はiDeCoで運用するのが良いでしょう。

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積立NISAの始め方

積立NISAを始めるのであれば、まずは金融機関にNISA専用の口座を作る必要があります。ここでは投資経験の浅い人を対象に、金融機関の選び方から投資対象となる投資信託の選び方などについて、基本的なところから解説します。

金融機関の選び方

積立NISAの口座を開設できる金融機関は、証券会社、銀行、信用金庫の3つです。なお、口座は1つしか作ることができません。

積立NISAで投資できる投資信託は149本しかありませんが、すべての金融機関がそのすべてを扱っているわけではありません。少ないところは3本程度で、多いところは130本以上です。多いところを選ぶのが良いでしょう。また、一般NISA口座への切り替えが年ごとに出来るので、併用するなら一般NISAの取扱商品数も考慮した方が良いでしょう。

投資できる間隔は毎月1回が基本ですが、中には毎日、投資できるところもあります。また、ボーナスの時だけ増額が可能なところもあります。1回あたりの投資額は100円から投資できるところもありますし、1万円からのところもありますので、少額で投資したい場合は確認しておきましょう。

手数料については、積立NISAはすべて販売手数料が無料(ノーロード)なので考慮する必要はありません。また、信託報酬や信託財産留保額(解約手数料と考えてください)については金融機関ごとに違いがありませんので、これも考慮しなくて良いです。

金融機関の比較

前項で解説したポイントを確認しながら、いくつか実際の口座の例を見てみましょう。

SBI証券
積立NISAで扱っている投資信託の本数は、平成30年5月9日の時点で135本です。一般NISAであれば投資信託だけで2,000本以上です。100円以上1円単位で投資できますが、ボーナス月などに増額はできません。

楽天証券
積立NISAで扱っている投資信託の本数は、平成30年5月9日の時点で132本です。一般NISAの場合は約2,400本で、最も多いです。100円以上1円単位で投資でき、ボーナス月などに増額できます。

みずほ銀行
積立NISAで扱っている投資信託の本数は、平成30年5月9日の時点でわずか3本です。一般NISAでも247本しかありません。投資最低額は1,000円で、ボーナス月などに増額できます。

一般NISA口座で取引するときは、取り扱っている株式の銘柄(特に海外)に違いがありますので確認しておくことが必要です。また、手数料も差がありますので、その点に注意してください。

積立NISAで投資できる商品

積立NISAで投資できる投資信託は、次のサイトに掲載されている149本です。

こちらに掲載されている投資信託は、次のように分類されています。

  • 指定インデックス投資信託・・・単一指数(株式型)国内型と海外型、複数指数(バランス型)国内型と海外型
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)・・・国内型と海外型

インデックス投資信託とは、TOPIXや日経平均株価などの経済指標(インデックス)に価格が連動するよう作られた商品です。

単一の指数に連動させているものと複数の指数に連動させているものがあり、また、国内のインデックス指数に連動させているものと海外のインデックスに連動させているものがあります。

インデックス投信の特徴は、一般的にリスクとリターンが低いということと、信託報酬が安いということです。

これに対し、アクティブ投資信託積極的にリターンを狙って運用するタイプなので、リスクも高くなります。運用にコストがかかるため、信託報酬も高くなります。元本割れを避けたいのであれば、インデックス型の投資信託を活用するのが無難です。

投資信託の選び方

情報で見るところ

前項で掲載した金融庁による投資信託の一覧から1本とりあげて、情報の見方を解説します。

一覧の一番上にある「たわらノーロード TOPIX」は、楽天証券で扱われています。

この投資信託は単一指数型、国内型のインデックス投資信託です。TOPIX(東証株価指数)のみに連動する投資信託ですので当然、国内型となります。

楽天証券のウェブサイトを見ると、2018年5月9日現在で基準価額は11,707円、純資産額は5.01億円で、ファンドの管理費用は0.1836%、設定日は2017年3月21日となっています。

設定来(運用開始以来)の最高値が12,453円、最安値が9,416円で、チャートを見ると設定直後に値を下げ、少しずつ回復していることがわかります。

なお、TOPIXのチャートを見ると、だいたい同じ動きをしていることがわかります。期間を2年に合わせ、基準価額の推移と比較してみてください。

情報の見方

まず、設定日が2017年3月21日なので、まだ運用が開始されてから1年ほどであることがわかります。

基準価額は1万口あたりの価格です。基準価額は10,000円からスタートするのが普通で、運用成績が良ければ増えますので、この投資信託はそれほど増えていないといえます。ただし、このファンドはTOPIXに連動するタイプなので、日本経済が上向かなければ、それほど大きな利益は期待できません。

純資産額は約5億円ですが、これは少ない方です。100億円ほどあれば安心ですが、最低でも30億円ほどあった方が良いです。そのため、この投資信託はそういう意味ではおすすめできません。手数料については、インデックスファンドとしては普通の水準です。

あと、分配金は「受取型」と「再投資型」があるのがわかります。分配金は再投資することでより利回りが良くなりますので、受け取らずに再投資をするのが良いです。

まとめ

積立NISAは活用の仕方次第で、資産形成に多いに役立てることができます。

元本保証こそありませんが、過去のデータから、長期運用を行うことで元本割れする確率は意外と低いことがわかります。堅実な資産形成がしたいなら、しっかり勉強してから運用すれば、積立NISAのメリットを得られることでしょう。

ただ、それでも元本割れが不安だということなら、貯蓄型の保険を活用する方が良いかもしれません。複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店なら多くの商品の中から選んでもらえますので、保険の見直しも含めて一度、相談してみるのもいいですよ。

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