ハローワークで転職して、果たしてホワイト企業で働けるのだろうか?
インターネットでハローワークの評判を調べると「ハローワークにはブラック企業の求人しかない」との意見が多く見受けられます。
その理由は、ハローワークには求人費用がかからないため、求人に費用をかける余裕のないブラック企業の求人が集まるというものです。
ハローワークの求人を見ると、一例ですが
- 年間休日100日以下
- 給料は正社員で月15万以下
- ボーナスなし
といった、ブラック企業とまではいかないものの、待遇があまり良くない求人が山ほど出てきます。
ですが、ハローワークにもきちんとホワイト企業の求人は存在します。
なぜなら私の妻が現にハローワークで転職してホワイト企業で働いてるからです。
ただし、妻はハローワークを利用して4回ブラック企業で働く羽目になってます。
ブラック企業の求人が多いのは事実かもしれませんが、ホワイト求人を見つける方法さえわかれば、ハローワークを利用してホワイト企業に転職することは可能です。
この記事では、ハローワークで就職・転職を合計5回したハローワーク経験豊富な私の妻の経験をもとに
- ハローワークでホワイト求人を見つける方法
- ハローワーク転職のポイント
- ハローワーク転職のメリット・デメリット
- ハローワークで転職を4回した反省点
について紹介します。

注意ポイント
今回の記事は私の妻の経験を基にしたものですが、私は妻の転職活動を身近で見てきたため、ハローワーク転職のリアルな情報をお届けすることができます。
実際ハローワークには何度も行き、ハローワークの求人も数多く見てきました。
ハローワークでホワイト企業に転職できるまで【4度の転職はすべてハロワ経由】
まずは、妻がハローワークを利用してホワイト企業に転職できるまでを振り返ります。
妻は新卒でハローワーク経由で就職してから、4回ハローワークで転職して5社目でようやくホワイト企業にたどり着くことができました。
その過程を振り返る中で、ハローワークを利用した転職活動のリアルを紹介します。
新卒でハローワーク経由で就職した会社はブラック企業
妻はハローワークの新卒向け求人に応募し、地元の冠婚葬祭を扱う中小企業で働くことになりました。
勤務条件など
- 初任給は約15万円(交通費が一部のみ支給なので手取りは10万円以下)
- 残業時間は月40時間程度で、すべてサービス残業
- 年間休日は104日
地元の小さな会社で、ネットでも情報が一切なく不安を感じながら入社したところ、ブラック企業であることが判明しました。
この会社では真面目に働いていたのですが、入社して4ヶ月が経った頃、突然解雇通告を受けました。

ハローワークで初めて転職した会社もブラック企業
新卒でハローワークを利用したこともあり、最初の転職の際もハローワークを利用し転職することにしました。
転職活動に要した期間は約4ヶ月とかなり時間がかかってしまったものの、とりあえず次の仕事が見つかりました。
次は教材を扱う会社の営業職で、ネットではブラック企業として有名な会社の関連企業でした。
悩んだ結果、関連会社までブラック企業であるかどうかは判断ができなかったため、内定が出たこともあり、とりあえず入社することにしました。
その結果、案の定超ブラック企業でした。
勤務条件など
- 残業時間は月60時間で、すべてサービス残業扱い
- 自宅で帰宅後や休日に行う業務あり
- 体育会系でパワハラあり
この会社では約半年働いたものの、プライベートな時間が一切なく、サービス残業もひどかったので転職することになりました。

3社目もハローワーク経由でまたまたブラック企業へ
3社目もハローワークを利用して転職します。
転職活動に要した期間は約半年です。
次の会社は地元のインテリアショップの事務員として採用されました。
勤務条件など
- 給料の手取り約14万(月20時間分の残業代込み)
- さらにサービス残業40時間(残業時間は月60時間)
- 同族経営(家族経営)によるあらゆる理不尽さ
この会社は残業代が毎月固定で20時間分基本給に組み込まれていました。
つまり、残業代を抜きにして考えると、手取りは12万円くらいだと思います。
サービス残業は多かったものの、約3年働き、我慢の限界がきて転職することになりました。

まさかの4社目もハローワークでブラック企業へ
今思えば不思議ですが、次もハローワークを利用して転職します。
転職にかかった期間は約2ヶ月です。
法律関係の個人の事務所で事務員として働きだしました。
勤務条件など
- 従業員5人(妻含む)
- サービス残業月30時間
- 給与は手取り15万円程度
この会社は単純に給料が安く、サービス残業もそれなりに多かったので半年程で転職することにしました。

5社目も懲りずにハローワークで転職し、念願のホワイト企業へ
ここまで、ハローワークを利用して4回ブラック企業で働いてきたわけですが、5社目でついに念願のホワイト企業に転職することができました。
今回も転職にかかった期間は約2ヶ月です。
勤務条件など
- サービス残業一切なし
- 有給使い放題
- 給料も平均的(過去最高)
上記のようなホワイト企業の求人がハローワークにも存在していました。
運的な要素もあるかもしれませんが、今回は本当に良さそうな求人にのみ応募するスタイルでいったのが功を奏したのだと思います。
ハローワークでブラック求人を排除し、ホワイト求人を見つける具体的な方法
ハローワークを利用して転職活動をする際は、いかにブラックな求人を排除するかが大切になってきます。
そのため、ハローワークの求人情報を検索する時点で、ブラック企業の求人を除外する必要が出てきます。
それだけでは不十分なので、次はホワイト企業候補の求人の内容を精査していきます。
順に説明します。
ホワイト企業の可能性が高い求人の探し方【第一フィルター】
ハローワークの求人検索システムを利用する際は、何となく求人情報を探すのではなく、ブラック企業と思われる求人は出てこないようにします。
ブラック企業といっても、明らかなブラック要素以外ではグレーな部分もあると思うので、自分の中でブラックだと思う条件の会社は検索で引っかからないようにします。
詳細条件検索を活用し、希望の条件を入力します。これが第一フィルターです。
ここを押さえたい
- 賃金(月給)
- 雇用形態
- 加入保険
- 年間休日
- 時間外
上記の項目に希望の条件を入力していきます。
ここで入力した条件に合致する会社の求人が、その人にとってのホワイト企業候補求人となります。
希望の条件をすべて入力すると検索結果に出てくる求人数がかなり少ない事態も起こりえます。
ですが、ここで厳しく求人の選別をしないとブラック企業に転職してしまう羽目になるので、注意してください。
ブラック企業求人の見分け方【第二フィルター】
検索の段階でホワイトな可能性が高い企業の求人を抽出した後は、その求人が本当にブラック企業でないか精査する必要があります。
ホワイト企業候補として生き残った求人を一つ一つ詳しく見ていき、見かけ上のホワイト求人が混じっていないか確認していきます。
これが第二フィルターです。
以下に確認すべき事項を紹介しますので、参考にして頂けたらと思います。
給料が残業代込みになっていないか
求人票の給与の項目に、月収20万円(固定残業代40時間分込み)のような表記があるので、その表記がないか確認します。
固定残業代込みの求人を出す企業はブラック企業である可能性が高いので、避けた方が無難です。
採用人数は極端に多くないか
採用人数が10人など、極端に多い場合は、すぐに辞めてしまうブラック企業の補充要因の募集をかけている可能性が高いです。
ちなみに、ハローワークの大抵の求人は1人~数人程度の募集が普通です。
従業員数は極端に少なくないか
従業員数が少ない会社は、独自のルールで会社が運営されている可能性が高く、それなりのリスクがあると考えます。
従業員数が少なくても素晴らしい会社はたくさんあると思いますが、転職する際は慎重にならざるを得ないのも事実です。
給料が業務内容の割に異常に高くないか
給料が高いことは一見良いことに思えますが、業務内容に見合っていない金額の場合は激務である可能性があります。
一般事務職で給料月30万~の求人があったら胡散臭いですよね。
男女比が極端に偏ってないか
職種にもよりますが、例えば男女問わず働けるような職種で男女比が2:8といったように、偏りが見られる場合、少ない方の性別の人にとって働きにくい職場である可能性があります。
応募条件が極端に緩くないか
仕事内容によるところはありますが、それなりの専門的な知識や経験が求められる職種で、経験不要、年齢不問、学歴不問といったように、応募のハードルが極端に低い求人に応募する際は注意した方が良いです。
ハローワークの職員に評判を聞く【第三フィルター】
ホワイト企業候補求人の精査が終わったら、ハローワークの職員に、応募したいと思える会社の評判について尋ねることをおすすめします。
何の情報も手に入らないこともありますが、思わぬ情報を手に入れることができる場合もあります。
ハローワークの職員に求人について聞く際は、
- 悪い噂を聞いたことがあるか
- 頻繁に募集をかけていないか
- 求人を出している頻度
など、ブラック企業かどうかを判断するための情報を尋ねます。
担当者が分かる範囲にはなりますが、分かる範囲で教えてくれます。
親切な担当者に当たった場合、色々と情報やアドバイスをもらうことができますよ。

ハローワーク転職の応募・面接・内定におけるポイント
ここまで、ハローワークでホワイト求人の見つけ方を紹介してきましたが、次にハローワークで転職するにあたり、注意すべきポイントを場面別にいくつか紹介します。
これはホワイト企業だ!と思える求人でも応募・面接・内定の際は慎重に取り組む必要があります。
求人に応募する前に口コミを徹底リサーチする
ホワイト求人を見つける方法で抽出したホワイト企業と思われる求人に応募する前に、会社の口コミを徹底的にリサーチします。
- 会社名+ブラック企業
- 会社名+サービス残業
- 会社名+転職
など、色々なワードで企業の情報をリサーチします。
投稿型の就職・転職のための口コミサイトを活用するのもオススメです。
就職・転職の口コミサイト
悪い評価が圧倒的に多い企業には応募しないのが無難です。
悪い口コミが少しだけある場合は、実際に面接を受けて慎重に入社するか判断する必要性があります。

面接はブラック企業を見分けるチャンス
口コミで問題がない会社でも、面接時にはブラック企業の要素がないかしっかりと確認する必要があります。
特に、口コミなどの情報が一切なく、判断要素がない場合は面接時がブラック企業かどうかを見極める絶好のチャンスです。
面接の際は、
- 働いている人の表情
- 勤務環境
- 面接担当の発する内容
などを確認します。
可能であれば、「前職を辞めた理由はサービス残業が多かった」ときわどい発言をし、どのような返答が得られるか確認することが有効です。
ブラック企業であれば、曖昧な返答になりますし、ホワイト企業であればサービス残業に批判的な意見が聞かれるはずです。
違和感を感じたら内定は辞退するのがベター
これはハローワークに限った話ではないかもしれませんが、転職活動を通して何かしらの違和感を感じた会社は内定をもらっていても辞退するのがベターです。
転職活動中は、早く働きたいという強い思いで、内定が出たらとりあえず働いてみるという選択をしてしまいがちですが、安易に働くことは、ブラック企業の餌食になってしまいます。
妻の場合も、「とりあえず内定がでたら働く」を繰り返した結果、ブラック企業で4回も働く羽目になっています。
そのため、ホワイト企業に転職したい場合は、早く働きたいという気持ちを抑え、内定が出たら働くのではなく、安心して働けそうな会社から内定を得られたら働き始めることが大切です。
内定承諾前に勤務条件や待遇は念入りに確認
ハローワーク経由で内定が得られた場合でも、勤務条件や待遇について曖昧な部分がある場合は、入社前に必ず確認しておくことが大切です。
例えば、
- 給与は経験を加味して決定
- 交通費は一部支給あり
など、特に重要な項目についてはしっかりと確認をすることをおすすめします。
もし、きちんとした返答が得られない場合は、内定を辞退することも考慮する必要があります。
ハローワーク転職のメリット
ここまで、ハローワークでホワイト企業に転職する方法を紹介してきましたが、
- わざわざハローワークを利用する必要はないのでは・・・
- 転職サイトを使った方がよいのでは・・・
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ハローワークを利用した転職のメリットについて取り上げたいと思います。
転職サイトには掲載されない地元の中小企業に応募できる
ハローワークには地元の中小企業の求人が集まる傾向があるので、大手ではなく地元の小さな優良企業働きたい方にはハローワークで転職するメリットがあります。
転職サイトには求人を出すのにそれなりの費用がかかるため、中小企業はハローワークに求人を出す場合が多いからです。
ただし、競争率が高い場合があるので、急いで応募しなければならないケースもあります。穴場のホワイト企業求人がでることがある
ハローワークの求人検索を定期的にしていると、ハローワーク以外では見たことがない優良求人に出合えることが分かりました。
ハローワークの求人の中には、そこそこ有名な企業の求人や、それなりに好待遇の求人に出合えることがあります。
地元の中小企業の求人同様、転職サイトなどには掲載されていない穴場求人に、ハローワーク利用者のみが応募できるというはメリットは大きいです。
転職サイトなどと併用すると転職が成功する可能性が高まる
ハローワークの利用者の中にも、妻のように転職活動に成功した人がいることは事実なので、ハローワークを他の転職サイトなどと併用すると転職活動が成功する可能性が高まります。
前述した通り、リクナビといった企業がお金を出して求人を出すタイプの求人サイトは大企業の求人が集まる傾向があるので、
例えば、
- 大企業は転職サイト
- 中小企業はハローワーク
といったように、使い分けて転職活動を行うのもアリです。
ハローワーク転職のデメリット
ハローワークを利用するメリットを紹介しましたが、次はハローワークを利用するデメリットについて紹介したいと思います。
少し個人的な見解も入ってしまいますが、実際にハローワークを何度も利用してわかったリアルなデメリットを取り上げます。
連続してブラック企業で働く羽目になる
ハローワークで転職活動をした場合、私の妻のように連続してブラック企業で働く羽目になるというデメリットがあります。
求人の見極め力やブラック企業の香りを敏感にかぎ取る力がないうちは、やみくもにハローワークで転職をしてもブラック企業に引っかかってしまう可能性が非常に高いです。
相談員の対応にはばらつきがある
ハローワークの相談員の対応の質は担当によってかなりばらつきがあります。
相談員の中には、それなりに対応してくれる方からとりあえず機械的に業務をこなす方まで、様々なタイプの相談員がいます。
自分に合う相談員にあたり、転職活動をスムーズに進めることができれば良いのですがそうはいかないのは現実です。
キャリアのことなどを、本格的に相談したい場合は、転職のプロに相談できる転職エージェントを利用して転職活動を行う方法もあります。
ハローワークに通う手間と時間がかかる
ハローワークの求人に応募するためには、ハローワークに通う必要があり、単純に手間と時間がかなりかかってしまいます。
求人は自宅からも閲覧することはできますが、書類選考や面接の申し込みをするためにはハローワークの窓口で申し込む必要があります。
自宅で求人を見ていると、少し気になる求人がちらほらでてくるのですが、求人が出る度にハローワークに通うことになるので、かなり大変です。
転職活動が長期化し、金銭面へのダメージが大きくなることも
私の妻の場合、ハローワークを活用した転職では早くて2ヶ月、平均で3か月くらい転職活動を行い、転職してきました。
当然、転職活動の期間が延びると貯金がなくなるので、金銭面でのダメージは大きいです。
なので、早く転職先を決めたい人にはハローワーク以外の転職方法をメインで転職活動を行う必要があります。
ハローワーク転職を4回経験した反省点
妻はハローワーク転職をすること4回、5社でようやくホワイト企業に転職することができました。
結果良ければすべて良し!なのかもしれませんが、ハローワークを利用した転職活動を行ってきて、色々と反省点もあります。

ハローワークを利用したことで転職するのに時間がかかってしまった
ハローワークのみを利用し、転職を繰り返した結果、ホワイト企業にたどり着くまでに相当な年数がかかってしまいました。
ハローワーク転職のデメリットの項目でも述べましたが、次の転職先が決まるまで平均3ヶ月もかかったのは、少々時間がかかりすぎな感も否めません。
当然、個人差はあります
ハローワーク転職はネットで完結するわけではなく、ハローワークに出向く必要がある点も、転職活動の長期化につながったのだと思います。
ハローワークにはない求人に応募するチャンスを失ってしまった
ハローワークのみで転職活動を行ったことで、ハローワークには求人を出さない優良企業の求人に応募するチャンスを失ってしまっていました。
転職サイトや転職エージェントなど、ハローワークよりも主流な転職方法をとっていれば、優良求人に出合う機会は多かったはずです。
転職エージェントには非公開求人も数多くあるので、ハローワークのみだと機会損失も大きかったと少し後悔しています。
ハローワーク転職以外の選択肢も選ぶべきだった
妻が転職活動をしていた当時を振り返ると、なぜか転職活動=ハローワークという考え方をしていました。
転職サイトの求人は多少は見ていたものの、転職のプロのサポートを受けられる転職エージェントの存在など全く知りませんでした。
転職エージェントを利用すれば、ハローワークにわざわざ出向くという無駄な行動をとらずに、転職活動を行うことが可能です。
また、ハローワークでは、本格的なキャリアの相談や面接対策などはしてもらえませんが、転職エージェントではそれらのサポートを無料で受けることができるため、有利に転職活動を行うことができます。
まとめ
ハローワークを利用した転職でホワイト企業に転職することができるのは事実です。
ですが、
- ハローワークのみ
- 転職サイトのみ
- 転職エージェントのみ
といったように、一つの転職方法にこだわるのは転職活動を行う上で非常に非効率です。
ハローワークのみで転職を行うつもりの方でも、転職エージェント、転職サイトといったハローワーク以外の転職サービスにも登録すると、転職が成功する確率は格段と上がることは間違いないですよ。